ギリシャ棺の謎 / エラリー・クイーン
日本の小説はサクサク読めるんですが、海外小説は、なぜか読むのに時間が掛かってしまいます。
先日、「ホンマでっかTV」でも海外物のミステリーは難解という話が出て来ましたが、その難解な理由は、登場人物の人数とあだ名の使い方が難解という話でした。
確かに、そういう見解もあると思いますが、個人的には、話が意外と単調で途中で飽きてしまう気がします。
実際、アガサ・クリスティも、毎年テレビドラマ化されてますが、盛り上がりなく、淡々とした展開です。
やはり日本の売れっ子小説は、現代の出版編集者監視のもと、小さな盛り上がりを入れる展開があるような気がします。
やっぱり「売れる本」を出すには、途中で飽きない展開が必要ですからね・・・。
さて、今回読んだエラリー・クイーン「ギリシャ棺の謎」は、2か月以上も費やしてしまいました。
しかも、実は、まだ完全に読み終わってない段階です。
そう・・・。
かの有名な「読者への挑戦状」を出された段階であります。
噂には聞いていましたが、今回、初の「読者への挑戦状」へチャレンジなので、正直、犯人だけ当てれば良いのか?手口まで当てる必要があるのかが分かりませんが、一応、やってみることにします。
(以下、予想)
「読者への挑戦状」は、「アルバート・グリムショーとギルバート・スローンを殺し、ノックスの絵を盗んだ犯人はだれか?」という問題。
先ず、「ノックスの絵を盗んだ犯人」を洗い出してみました。
ノックスの絵の場所を知りえる人物は、かなり限られて来ます。
・ノックス本人
・ジョーン・ブレッド(秘書)
・ウッドラフ(弁護士)
ただ、つい最近入ったジョーン・ブレッドは可能性が低く、ウッドラフはノックスの自宅に来ていないことが判っているため、可能性が極めて低い。
次に、「ノックスへ脅迫状を送った人物」を洗い出してみました。
タイプライターの使い方がヒントになると思いますが、一つ目は、2種類のタイプライターを使った点。そして、ハルキスの手形を手に入れることができる人物。
ここで怪しさを感じるのが、
・ノックス
・ジョーン・ブレッド
の2人。
ノックスの古いタイプライターを慈悲団体へ寄付してしまう行動。
ジョーン・ブレッドのハルキス家で使ったタイプライターとノックス家で使ったタイプライターが異なること。
が気になります。
最後に、「ギルバート・スローンを殺す人物」は、ギルバート・スローンがアルバート・グリムショーと兄弟関係であることを把握している人物。すなわち、グリムショーが、ギルバート・スローンに会った後に、グリムショーと接触したと思われる人物です。
この可能性があるのが、ホテルへの訪問者
(1)謎の男(大きい男、アイルランド訛り、髪は白い、日焼けで真っ赤な顔)
(2)ギルバート・スローン
(3)ギルバート・スローンの妻
(4)オデル
(5)ウォーディス医師
※括弧内の数字は、ホテルに入った順序
です。
謎の男は、部屋に隠れ、スローンとの話を聞いていた可能性があると本編に出て来ますが、スローンと会った後にグリムショーが話した可能性も考えられるため、5人が容疑者とします。
ただ、スローンの妻は、グリムショーに会えなかったこと。オデルは、グリムショーにケンカを吹っ掛けただけの点で、容疑者から外します。
つまり、謎の男とウォーディス医師が容疑者です。
そして、謎の男に該当しそうな人物が
・ノックス(髪が白い、背が高い、60歳)
・ウォーディス医師(英国人)
・ジョーン・ブレッド(英国人) → 男ではない
・ウッドラフ(巨体)
エレベーターボーイの発言から、ハルキス邸にいない人物の可能性が大きいことから、
・ノックス
が濃厚。
ただ、これは、一般人の可能性があるので、然程重要な証言でないとします。
さあ、これで予想を立ててみます。
これで怪しい人物は、
・ノックス
・ジョーン・ブレッド
・ウォーディス医師
・ウッドラフ弁護士
の4人です。
考えられるのは、
(1)ノックス
(2)ジョーン・ブレッドとウォーディス医師の共犯
(3)ノックスとウッドラフ弁護士の共犯
です。
(2)は、英国人同士。英国の美術館からのスパイ的な感じのことになります。
グリムショーと接触して、絵を取り戻す図です。
ただ、これは失敗したら国際問題。可能性はかなり低いかな・・・。
ということで、犯人は、「(1)ノックス」か「(3)ノックスとウッドラフの共犯」に絞られました。
うーん。これ以上絞り込むのは難しいけど、ウッドラフ弁護士がグリムショーを殺す動機がないので、「(1)ノックス」かな・・・。
どうでしょう?